2009年 11月 23日
第9部 長野3日目 |
9月4日
今日は、大変な仕掛けと分量と感情のてんこ盛りのシーンが夜に控えている。
長「でも、今日を逃したらもう行けないなあ」
と、午前中は初日にチェックしておいた懐古園に出かけた。
懐古園には藤村記念館もあったが時間がないのでそこは素通り。
一周するつもりで歩いていたら展望台に向かう坂が現れた。
この展望台から千曲川が見下ろせるはずだ。
長「せっかくだから旅情の景色を見ておこう」
登ってみるとやはり、展望台のすぐ下を大きく蛇行して千曲川が流れていた。
フムフム、これでちょっと観光気分。
園内に併設されている動物園にまわるとライオンがいた。
小さな動物園だけどサルやフラミンゴやインコもいた。
いっぱい動物がいた。
小さいのであっという間に一回り。
外に出て、喫茶店に寄る。
ビールが飲みたかったが、我慢して珈琲を飲みながら少しボンヤリした。
午後ホテルでピックアップしてもらい民宿へ。
ミサキ、明日香のシーンを撮っている間、そこで待機。
食堂では制作部が、夜の撮影の胆となる仕込みを丹念にしていた。
私は何も手伝えないので見ているだけ。
夕方、撮影隊が戻る。
夕飯の時間まで少しあったが、夜の準備でみんな忙しい。
私はすることもないので、散歩にでも行こうかと廊下に出た。
すると一人、監督が廊下にある洗面所で顔を洗っている。
日焼けで顔が赤くなっていた。
夕食後、橋の上に移動。
辺りは街灯もなく真っ暗なので
発電機を持ち込み橋の上にライトをあてる。
今夜は時間との勝負で、無駄な動きがひとつもできない緊張感にあふれている。
撮影は、突っ走るように進んでいった。
橋の上が終わると、河原に移動し水辺での撮影。
すでに深夜0時をまわり、残りのシーンが今晩中に撮りきれるかどうか不安がよぎる。
寒さと疲労よりも、太陽が私たちの敵となっていた。
太陽が出ないことをこんなに祈ったことはかつてない。
空が白んできたころ、なんとか撮影は終了。
終わったとたんに朝日がぐんぐん昇りだした。
9月5日、帰京。
帰る前、民宿のおかみさんの作ってくれたとうもろこし入りのカレーライスを頂いた。
なんだかほっとしたことを覚えている。
東京につくと小雨がぱらついていた。
撮影隊はその足で次の現場に向かっていった。
長「お疲れ様でしたー」
と私は少し寂しくなりながら家路についた。
続く
長宗我部 陽子
今日は、大変な仕掛けと分量と感情のてんこ盛りのシーンが夜に控えている。
長「でも、今日を逃したらもう行けないなあ」
と、午前中は初日にチェックしておいた懐古園に出かけた。
懐古園には藤村記念館もあったが時間がないのでそこは素通り。
一周するつもりで歩いていたら展望台に向かう坂が現れた。
この展望台から千曲川が見下ろせるはずだ。
長「せっかくだから旅情の景色を見ておこう」
登ってみるとやはり、展望台のすぐ下を大きく蛇行して千曲川が流れていた。
フムフム、これでちょっと観光気分。
園内に併設されている動物園にまわるとライオンがいた。
小さな動物園だけどサルやフラミンゴやインコもいた。
いっぱい動物がいた。
小さいのであっという間に一回り。
外に出て、喫茶店に寄る。
ビールが飲みたかったが、我慢して珈琲を飲みながら少しボンヤリした。
午後ホテルでピックアップしてもらい民宿へ。
ミサキ、明日香のシーンを撮っている間、そこで待機。
食堂では制作部が、夜の撮影の胆となる仕込みを丹念にしていた。
私は何も手伝えないので見ているだけ。
夕方、撮影隊が戻る。
夕飯の時間まで少しあったが、夜の準備でみんな忙しい。
私はすることもないので、散歩にでも行こうかと廊下に出た。
すると一人、監督が廊下にある洗面所で顔を洗っている。
日焼けで顔が赤くなっていた。
夕食後、橋の上に移動。
辺りは街灯もなく真っ暗なので
発電機を持ち込み橋の上にライトをあてる。
今夜は時間との勝負で、無駄な動きがひとつもできない緊張感にあふれている。
撮影は、突っ走るように進んでいった。
橋の上が終わると、河原に移動し水辺での撮影。
すでに深夜0時をまわり、残りのシーンが今晩中に撮りきれるかどうか不安がよぎる。
寒さと疲労よりも、太陽が私たちの敵となっていた。
太陽が出ないことをこんなに祈ったことはかつてない。
空が白んできたころ、なんとか撮影は終了。
終わったとたんに朝日がぐんぐん昇りだした。
9月5日、帰京。
帰る前、民宿のおかみさんの作ってくれたとうもろこし入りのカレーライスを頂いた。
なんだかほっとしたことを覚えている。
東京につくと小雨がぱらついていた。
撮影隊はその足で次の現場に向かっていった。
長「お疲れ様でしたー」
と私は少し寂しくなりながら家路についた。
続く
長宗我部 陽子
by kouryoshibounin
| 2009-11-23 15:44
| エッセイ