2009年 10月 24日
第5部 病人に見えるかしら |
7月30日は、本村さんと私が電話で会話するシーンからだった。
撮影は本村さんのみだが、私が受話器の向こうで会話を受ける。
私は、現場とは別室で受話器を持って待機。
現場でテストが始まった。
こちらにも合図がくる。
すると本村さんの声が聞こえてきた。
本村(史郎)「・・・・・・・・美奈子か?」
とたんにグッと熱いものがこみ上げる。
現場で本番の声がかかる。
本番でもさらに熱いものがこみ上げる。
撮影後、鼻をかんでいると、
「花粉症ですか?」
と聞かれた。
長「ん、ううん」
場所を移動し、病室のシーン。
唯一リハーサルを行ったシーン。
死期が近い人間を演じるのだが、それが難しかった。
健康でいることが、このときばかりは悩みの種。
ムムムム。
長「カメラマンの伊藤さんが、私を病人に見えるように撮ってくれますように(心の声)」
監督が、シーツからミサキに手を差し出すように指示する。
長「こういう感じですか?」
監督「違う」
手の動き一つ、難しい。
ムムムム。
控え室で美奈子の病気の話になった。
台本にはガンだとしか書かれていない。
「何ガンなんだろうね。」
病名は勝手に決めてあった。
こういうところから想像がふくらんだ。
続く
長宗我部 陽子
撮影は本村さんのみだが、私が受話器の向こうで会話を受ける。
私は、現場とは別室で受話器を持って待機。
現場でテストが始まった。
こちらにも合図がくる。
すると本村さんの声が聞こえてきた。
本村(史郎)「・・・・・・・・美奈子か?」
とたんにグッと熱いものがこみ上げる。
現場で本番の声がかかる。
本番でもさらに熱いものがこみ上げる。
撮影後、鼻をかんでいると、
「花粉症ですか?」
と聞かれた。
長「ん、ううん」
場所を移動し、病室のシーン。
唯一リハーサルを行ったシーン。
死期が近い人間を演じるのだが、それが難しかった。
健康でいることが、このときばかりは悩みの種。
ムムムム。
長「カメラマンの伊藤さんが、私を病人に見えるように撮ってくれますように(心の声)」
監督が、シーツからミサキに手を差し出すように指示する。
長「こういう感じですか?」
監督「違う」
手の動き一つ、難しい。
ムムムム。
控え室で美奈子の病気の話になった。
台本にはガンだとしか書かれていない。
「何ガンなんだろうね。」
病名は勝手に決めてあった。
こういうところから想像がふくらんだ。
続く
長宗我部 陽子
by kouryoshibounin
| 2009-10-24 17:54
| エッセイ